~ふ し ぎ~


いつだったか、先生がそんな私をどうにかしようと考えて、面倒見のいい人ばかりを集めてグループ編成をしたことがある。

そんな必要ないのに。

アタシは一人が好きだから一人でいるんだ。それを大人はわかってくれない。


ちょっと大人びたアタシは、大人がどうすれば喜ぶかすっかりわかっていた。

「小夜ちゃん、こっちにおいで」

「これしてみて?わぁ~小夜ちゃん上手やなぁ~」


一通りの事をしていると、先生も親も、そして友達も安心するようだ。

心はいつも一人なのに、そんな事お構いなしに、みんな土足でアタシの心に入ってこようとする。

不思議だ。


心の中の反動が最初は一滴、そしてコップ一杯・・・そしてとうとう溢れ出した。


「先生!!大変!」

職員室でくつろいでいた先生が班長の山並さんに呼ばれて急いで教室にやって来た。

「どうした沢村!沢村??」

先生の呼ぶ声が遠くに聞こえてもアタシは返事をしなかった。いや、出来なかった。


その後たぶん先生が送ってくれたのだろう。
気が付くとアタシは自分の部屋にいた。
そしてアタシの周りにはまた誰もいなくなった。



ホッとする空間はいつも一人。