~ひとり~


アタシは人の話を聞く事が苦手で、幼い時から「小夜ちゃんはいつも上の空やな」と言われてきた。

なぜこんなにも人の話を聞けないのか、聞いてもすぐ忘れてしまうのか。


そんな事さえも疑問に思わないアタシがアタシだった。

必要がないと思ったし、それでも毎日は過ぎていた。アタシが人に話をする事がなかったからかもしれない。

休み時間も一人だったし、一人で何かをするのは不安さより心地よささえ感じていた。

誰の中にも入っていかないし、誰もアタシの中に入ってきてほしくない。

学校卒業して就職して…。


ずっとアタシは一人。


続く