~呪縛~


幼い頃から一人が好きだったわけじゃない。
人一倍落ち着きのない子どもだったように思う。

近所の友達を集めては、当時はやっていた特撮ヒーローに変身し、晩御飯まで遊んでいた。

それは当時の写真を見ると、日焼けで真っ黒な事でもわかる。


物心つく前くらいだろうか、断片的にしか思い出せない。
母親が近所の人と井戸端会議中、つい口を挟んでしまった。

いつもは怒ることのない母が、その時口にした言葉



「大人の話を聞かないの!」



何かとてつもなく悪い事をしてしまったようで、そこからの罪悪感から今だ抜け出せないでいる。



大人の話を聞いたらいけない



人の話を聞いたらいけない



人の話は・・・


母親の言葉は暗示となり、アタシの頭を支配した。


それから今の私になるまでに時間はかかっていない。
誰が話をしていても、アタシの耳には届かなくなった。


「小夜ちゃんはいつも上の空やね」


友達ができても、いつの間にか一人になっていた。
クラスでも浮いた存在だったに違いない。


続く


***昨日から少しずつの更新です。続きものですが、短編(とも言いがたいんですがvv)で読めるようにしようかと思ってます・。***