H10年生まれ
好きな色・黒
好きな動物・猫
名前は・・・ない
最近は大きいヤツが道路を行きかっているが、僕は小型。
人を乗せるのが僕の仕事だ。
そう、僕は「車」
今日は僕の主人を紹介しよう。
僕の主人は名前を「しずく」という。
どこにでもいる普通の女の子。
スヌーピーが好きらしく、僕の中には、たくさんそいつらがいる。
同じようなのがいて、ちょっと気持ちが悪いけど、本人は気にいっているようだ。
僕は何度か知らない人にいじられて、しずくは泣いたり、怒った。
不幸中の幸いか、何かを盗られただけで、僕自身は壊されることはなかった。
でもまた同じようなことが合ってはと、しずくは僕に「警報機」なるものをつけてくれた。
うん。しずくは優しいんだ。
警報機は解除しない限り、ドアを開けたり、エンジンをかけると作動し、音が鳴る仕掛けになっている。
解除する装置は、しずくしか持っていないらしい。
そして事件は起こった。
その日もしずくと一緒に、朝仕事に出かける予定だったのに、お昼を過ぎてもしずくは現れない。
今日は休みか思っていると、パパさんが乗り込んできた。
しかも、警報解除しないで、だ。
当然、僕の中に設置されている警報機がけたたましく鳴る。
パパさん、解除させないと!
いつもなら、ここで解除されて、僕は静かに仕事になるわけだが、その日は違った。
パパさんはあろう事か警報がなったまま、発進。
♪ピロロン~ピロロン~パホパホ~ウゥウウゥ~♪
いつもよりもけたたましいそう音は、まるで救急車のようだった。
もちろん、誰もが僕を振り向く。
乗ってるパパさんは、気まずそうに、申し訳なさそうにまだ運転を続けている。
と、信号で停まっていると、呼び止められた。
おまわりさんだ。
「・・・娘が解除の装置を持っていっていて・・・」
なるほど。だからパパさんはいつまで経っても、僕を静かに仕事させてくれないわけだ。
そして、また発車。
鳴る警報。
とめることが出来ないパパさん。
そして、やっとしずくが乗り込んできた。
え?
しずくも持ってない?どういうことだよ。
え?
家にある?
当然の如く、帰り道も鳴る警報。
とめることの出来ない、しずくとパパさん。
やっと家に到着。
警報解除装置は、当たり前のように、しずくの部屋にあったのだった。
約1時間・・・。
けたたましい音から開放された。
もう僕、見られすぎて、頭の中で音が鳴りすぎてクタクタだよ・・・。
僕の主人は、いくつになってもドジなしずく。
こんなご主人様だけど、今日も明日も、命を懸けて守ってあげるよ。
そうそう、もし、しずくに会えたら、伝えてほしいことがあるんだ。
僕が直接言えばいいんだろうけど、話せないんだ。
しずくがこのブログを見てくれていたら、話は早いんだけど。
僕の右ランプにいつからか蜘蛛が住みついていて、何度取り払ってくれても、巣を作ってる。
昨日また蜘蛛のやつめ、凝りもせず、作ってた。
忙しくない時でいいから、綺麗にしてほしいって、僕が思っていること。
それでは、ここまで付き合ってくれてありがとう。
いつかまた・・・。