長旅で疲れた心と体を癒そうと入った部屋。


ちょっと物が多いけど、俺の好きな夏目漱石本並んでいる。

暗闇の中から下を見つめていると、彼女と目が合った。


「・・・!」


いつも俺は忌み嫌われて、追い出される。

あぁ、またこれで早々にお暇する事になりそうだ。

覚悟をしたとたん、彼女の視線が消えた。

そう、彼女は俺を受け入れて、そして許してくれたのだ。

この部屋にいる事を!


その後、彼女がまた驚かないように、存在を消した。

油断して飛び出してしまった事もあったけど、彼女はまた許してくれた。


そんなわけで、未だに俺は旅に出発することなく、部屋にいる。



俺の旅はもう終わりかもしれない。



***「?」なショートショート(笑)これには訳がありまして。実はですね、数日前に私の部屋にヤモリが出たんですよ。そして今も多分いるはず。そのヤモリ目線で書いてみましたニコニコあははっ***