あぁ・・・思ったよりも遅くなったな。


今日はバイト先の飲み会。

一番下の俺がドライバーとして、皆の送り迎えをする羽目になる。

いつものことだけど。

それにしても先輩達ってひどいよな。

これ見よがしにガバガバ飲まなくてもいいのに。

俺だって飲みたいよ~。

幼いころから人にノーと言えない性格が災いして、良いように扱われる。

こんな性格を変えたいと思ってるんだけど・・・


「思ってるだけなんだよなぁ・・・」


街は深夜。

「こっち、こっち」と誘っていうるような、点滅信号を左に曲がって、家路に急ぐ。

と、道の横にボォーと光るものが見えてきた。


ん?こんなところにあんな光る物あったかな?


スピードを少し落として、左を見ながら通過する。



『交換屋』


交換屋?


通過しながら考えているうちに、2つめの看板が見え、それにも同じ文字が書いてある。

そして、3つめ・・・4つめ・・・

看板の感覚が短くなってきた気がしたとき、誰かがそこに座っているのが見える。


こんな夜中に、露店?

しかも『交換屋』なんて奇妙な名前だ。


気にせずに通り過ぎる。















もうどれくらい時が過ぎたのか。

この店を俺を、いつか発見してくれる人がくるまで、俺はここでこうして座り続けるんだろう。

交換屋の店長として。


『交換屋』

あなたと私を交換します。お気軽にいらっしてください。





***運転していて「カブト虫 1匹 200円」って言う看板がありました。えっ!!と見ると怪しげなおっさんが虫ケースらしきものを一つ片手に道路の脇に座っていたの!!カブト虫売ってるよぉ~~!!成虫?幼虫?いやいやそんな事は関係ないか。あまりにも普通に座って商売(といっても誰もいない)していたので衝撃的でした。で、このお話に・・・。おっさん。。暑いのにご苦労さん。売れたのか聞いてみたいところだわ***