sora

あなたと出会って半年


ねぇ、覚えてる?


初めて出会ったのは今日みたいな雨。


その日は朝降って、夜にはやんでいたんだよね。だからついうっかり電車に傘を置き忘れた。


「これ、あなたのじゃないですか?」


降りる瞬間に声をかけられ、お礼を言う間もなく降りた私。


その後、同じ電車に乗り合わせたのがきっかけで、付き合い始めた。


「瑞樹ちゃんは、そのままでいいよ」


そのままの私でいいなんて、今まで誰も言ってくれなかったの。ありがとう。


毎日が新鮮で、毎日が発見で、毎日が愛しく思えるようになった。


「今度の週末、あいてるかな?」


いつも私の目を見て話をするあなたが、怒ったようにそっぽを向いて聞いたのはつい4日前。


うん、わかってるの。


言わなくてもわかってる。


でも気づかないふりをしていてあげる。


私もあなたと明日も明後日も50年後もずっと一緒に「アイスクリームのような毎日」を過ごしていきたいの。


一緒に甘く溶けていきたい。




電車がホームに着いて、笑顔のあなたが降りてくる。


「おはよう!瑞樹ちゃん」


「おはよう。」


いつまでも二人笑顔で挨拶を交わしたい。電車の向こうに虹が見えた気がした。



***久々にショート・ショートを書いたんですが、せっかく書いたものが保存する前に消滅してしまいショック!仕方がないので思い出しながら書きました(笑)今回のテーマは「結婚」と、「アイスクリームのような毎日」これを書きたかったんですよね。最近観た舞台の台詞のパクリ(おいおい)なんですが、その舞台は「君といると、アイスクリームのような毎日におぼれて、ダメになってしまうと思うんだ」といった感じの別れ台詞だったんですけども。いいじゃん、アイスクリームのような毎日で!と思っていた私は、女の子目線で(うーん、どうかな。)書いてみました。***



*画像お借りしてます^-^*