「この水を飲むと、あなたはこれまでと違った人生を味わえます。でも、飲む水は同じでも飲む人によって味が変わるんです。…そう、同じ人がいないように…。どうです？お一つ？」
こう言われてもらった水
その名も『人生の水』
これを研究してもうかれこれ半年になる。
最初は信じていなかった俺も、ここ半年の間に実験で使ったラットが消えるたび、必然的に信じるしかなくなった。
今はこれを何かに活用できないか・・・。この一点に課題を残し、研究している。
たとえば、この水が違う時に行くのだとしたら、これを上手く利用してタイムトラベルはできないだろうか。
ちょっとずつ飲んで、その時をやり直していく。
一度起きた事も予想できるわけだから、事故も回避される。
でも、これには問題があって、過去には行けるが、未来にはいけない。
そう、過去での失態をやり直しても、現在には戻ってくることが不可能なのだ。
う～ん。それではタイムトラベルの意味がない。
やはり、未来に行く事の出来る、ものを発見しなくては。
日曜日、量販店で結構高かったが「未知なる実」50g450円を購入。
例の水に入れてみる。
消えた・・・・。
実にも意思があるとは思えないが、過去に行ったのだろうか。
失敗だ。
火曜日、サービスエリアで「未来4級」というゲームを購入。
研究所にて、遊んでみる。未来6級だった。
水に変化なし。
水曜日、休み
木曜日、友達の家で「パンダパン」をいただく。
大変に美味。
金曜日、学校の近くで胡散臭い男が学生あいてに、奇妙なものを売っていた。
「恋する小人」男の声に合わせて、紙の人形が踊ると言うものだ。
歓声を上げている子どもの後から、一ついただくことにする。
一つ700円。
家で封を開けて、説明書を読む。
おい、これ紐につるして操るだけじゃないか！！しかも上手く出来ず、断念。700円は痛かった。
土曜日、まだいい発見はなし。
早く発見しなければ！
今日はコンビににでも行ってみるか。
