ゴウシュウヘソアキエビスガイこと、ゴウと共に緑のドームにいるソラのところへ急ぐリン。
「ねぇ、ヘソアキ君、ソラって言う人に会ったことあるの?」
「ヘソアキじゃないっ!」
反論しながらもソラついて説明をするゴウ。
死の海のサイーダよりも年は下らしいが、もうかれこれ500年は緑のドームにいるらしい。
海底魚達と一緒に緑種といわれる、海草を増やしていく仕事をしている。
「にやけたじじいだぜ」
そこまで言い終えた時、ゴウの横から声がした。
「・・。ゴウシュウヘソアキエビスガイ。」
「!うわっ!!じ、じ、・・・こ、こんにちは。」
そこには髪を後に結っている、見た目は30代。3メートルはゆうにある巨体。
(やけに大人しくなったじゃない、まさかこの人がソラ??でもジイさんって言ってたよね。ちょっと好みかも・・。)
「よう!久しぶりじゃないかい!」
「はいっソラさん」
(やっぱりこの人がソラ!)
ソラは巨体にもかかわらず、サッと行っては、サッと帰ってくる。
そして初めてリンに気がついたように、まじまじと見つめた。
「ねぇ、お前がリンかい??」
「は、はい。」
「例のものもって来てくれたかい?」
例のもの。。。黄色い小包をソラに手渡す。
「ありがとう、ありがとう。コレがなかったら、困るからなぁ。」
よっぽど嬉しいのか、汚い小包にもかかわらず、チュッとキスをする。
その余りの喜びように興味がわいてゴウにこっそり聞いてみたリンだったが、驚いて引いてしまった。
お礼として、緑に近い青のペンダントをもらったが、荷物の奥に突っ込んだ。
そして、そそくさと死の海へと帰り支度をする。
「なんだよ、もう帰るのかい?」
「はい。もう用事も済みましたし(ニッコリ)」
「そうかい。いつでも遊びに来ておくれよ」
もう少しゆっくりして行こうと言っていたゴウに睨みをきかせつつ、緑のドームを後にした。
「なんだよ、リン~あそこの貝スイカおいしいのになぁ~。食べたかったなぁ~」
「もう!そんなに言うんだったら一人で残ってなさいよ!ヘソアキ!!」
「なに起こってんだよ!」


秘密秘密のないしょ話・・・。
「ねぇ、アノ中身なんだったの??」
「あぁ、あれ?精力剤」
「!!」
こ、好みのタイプだったのにぃ~~~!!


「もう明日でおばばと別れるなんて、嫌だな。また退屈な日に逆戻りよ~。」
「俺はせいせいするぜ!!」
サイーダの近くでゴウが口を出す。
「なぁ~によ、ヘソアキ君、寂しいくせに~~」
「け~~~っ!!」
「まぁ。そういうな。またいつか会えるじゃろ。」
あんなに見ると嗚咽をしそうだった魔女の姿にも、すっかり親近感覚え、今では可愛いとさえ思ってしまう。

「ほれ、お前の餞別がわりじゃ、」
「あ、それ・・・・。」
丸い、やわらかい色の玉。
リンがソラのところまで行き、貰って来た玉。
「そうじゃ、これは不思議な玉でな、コレを握って会いたい者の姿を思い浮かべると、その者のところへ連れて行ってくれるといった代物じゃ。」
「そんなすごい玉だったんだ。」
(私すごい扱いしちゃったけど^^;)
その玉は初めに見たときよりも、濃い、藍色
(会いたい人。・・。)
ここに来てから、気がつくと頭の中にいた、人。
あの見つめていた瞳。
まだ生きているとわかったにもかかわらず、結果的には見捨ててしまったあいつ。
「きっと、会えるじゃろ、そいつにも。」
(それがお前の運命かもしれんの。)

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