朝、目が覚める。

時計を見る。

AM 5:04


静かな朝。

いつもと同じ朝。


テレビをつけようか悩むが、この静寂を堪能するのもいい。

昨日窓を開けていたせいか、カーテンが少し揺れている。

そして僕は今日一日、どう過ごすのか考える。


そんな金曜日。

いつもの金曜日。


僕、小林宇夢の朝の過ごし方だ。

友達に言うと、「朝早いなんてじじ臭い」なんて言われるが、ほっといてほしい。

これが僕だ。

もちろん、夜は早い。

僕の名前は「宇宙の夢」と書いて「ひろむ」と読む。

親は「宇宙大のでっかい夢を持って、生きる子になって欲しい」との願いを込めて名づけたそうだが、高校3年になる6月でさえ、今だに志望校すら決めていない。

自分が将来何になりたいのか。

したいことすら、見つからないでいる。

友達に「漫画家になりたい」と三者面談の時に言ったやつがいる。

僕は内心「冗談だろっ」と思ったが、自分の歳でやりたい事があるそいつを、うらやましく思った。


なんでみんな、将来のことを、語らせたがるんだろう。

将来、早い話、未来、明日がどうなるなんて他人にもましてや本人でさえ、判っちゃいないのに。

宙夢である僕は、これっぽっちも未来を語れない。

今までも、そしてたぶん、こっれからだって。


カーテンから漏れ出した光は、十分に時の流れを感じさせた。

AM 6:30

そろそろ朝ごはんにしよう。

ここでやっとテレビをつける。


ん?

テレビ画面が真っ黒なまま。

リモコンでチャンネルを変えても、やはり同じだ。

どうなってるんだ?

テレビが壊れてしまったのか。

冷蔵庫から牛乳を取ろうと移動する。


そして・・・

世界が変わり始める。


いつもの時間の

いつもじゃない出来事。


今は過去になり、そして、未来になる。

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