一人でいるのが辛くて
君を抱いた
一人が平気でいた頃が
懐かしい気さえする
今は誰かに
甘えたくて
誰かの
体温を感じたくて
君を抱いたんだ
そう
きっと
誰でもよかった
この気持ちが埋まりさえすれば
いつも会社で会ってる人…
目が合うと少し困ったように目を伏せた。
3歳も歳が離れているようには思えない、素顔のその人はいつも知っている彼女なのに、彼女じゃないみたいだ。
元彼女とも一緒にお風呂に入ったことはあったけど、向き合って入ることなんてなかった。
その距離が、僕とその人の気持ちの距離なのかもしれない。
長い髪が湯船に浸かる度、動くたび、白い水面が波紋を起こす。
短い時間が、永遠に思えるた。
絶えられずに声をかける。
いきなり名前を呼ばれて驚いた目が一層大きくなる。
そろそろ出ようかと告げた僕に、その人はこう言った。
「…ごめんなさい。」
何がごめんなのか
何がその人を萎縮させてるのか
ごめんと言うべきなのは、僕の方なのに
そして僕はまた彼女を抱いた
「いいさ」という一言を残して